夏の魚「トビウオの展示」開始
夏の魚として親しまれているトビウオの展示を「トロピカルアイランド」内にある「エメラルドの入江」と「コーラルメッセージ円柱水槽」の2か所の水槽でおこなっています。
トビウオは初夏から初秋にかけて南房総近海に回遊してくることから、夏の魚として親しまれています。しかし、体が傷つきやすいうえに神経質なため長期の飼育が難しく、展示できる期間が限られています。
鴨川シーワールドでは例年トビウオの展示を行っており、今年も6月上旬に鴨川沖の定置網などで採集したトビウオの仲間を、餌付けを行った上で、トロピカルアイランドの「エメラルドの入江」に展示しました。
さらに「コーラルメッセージ円柱水槽」では、トビウオ稚魚の展示を行っています。こちらで展示しているのは「ツクシトビウオ」という種類で、6月上旬に鴨川沖の定置網などで採集した成魚から採取した卵を人工授精によりふ化させ育てたものです。およそ10日で卵からふ化しますが、稚魚は食欲が旺盛なため、ワムシやアルテミアなどのプランクトンや栄養豊富なペレットを与えて育成しました。ふ化後10日ほどで胸ビレと腹ビレが長くなりはじめ、水面でジャンプすることができるようになります。ふ化から1ヵ月ほどたった現在は3cmほどに成長し、元気に泳ぐ姿がご覧いただけます。
「トビウオ」 について
トビウオはその名の通り、空を飛ぶ魚で、青色の細長い体に大きな胸ビレと腹ビレがあります。日本沿岸に広く分布し、約30種類ほどのトビウオの仲間が知られており、房総半島沿岸にも10種類以上のトビウオがやってきます。特に初夏から初秋にかけての漁獲量は多く、定置網漁や流し網漁で捕獲されます。中でも体長30cmほどのホソトビウオや体長35cmほどのツクシトビウオが多く水揚げされ、市場ではツクシトビウオなどは「角トビ」、ホソトビウオは少し丸味を帯びていることから「丸トビ」と言われています。