希少生物保全活動「生物多様性コーナー」

千葉県では希少生物と生物多様性の保全活動を推進しており、鴨川シーワールドでは千葉県からの依頼を受け、国の天然記念物や絶滅危惧種などの希少種の飼育下での保護増殖による系統保存に取り組んでいます。

生物多様性の保全・再生のためには、行政だけでなく、企業や個人など多くの人々の協力が必要です。
本取り組みでは、千葉県からの要請を受け設置している「生物多様性サテライト」を併設し、パネル展示やリーフレットなどの配布も実施いたします。ふだん見ることができない千葉県に生息する希少生物とその現状を、今回の展示をとおしてご来園の皆様に知っていただけるよう、生息地の保全や再生など地域の生物多様性の重要性を発信して参ります。

「生物多様性コーナー」展示について

千葉県に生息する国の天然記念物や絶滅危惧種などの希少種を展示しています。

シャープゲンゴロウモドキ

Predaceous diving beetle Dytiscus sharpi

体長3cmほどになる大型のゲンゴロウです。一時は絶滅したと考えられていましたが、1984年に千葉県で再発見されて以降、日本海側の数県でも生息が確認されました。現在でも、関東地方では房総半島の一部にしか生息していません。名前の「シャープ」は、イギリスの昆虫学者デーヴィッド・シャープをたたえてつけられた学名がもとになっています。

ニホンイシガメ

ニホンイシガメは関東から九州に生息する日本固有の淡水性カメ類で、オスは甲長15㎝、メスは甲長20㎝ほどになります。20年ほど前までは日本各地で多く生息していましたが、生息環境の悪化や外来哺乳類による捕食被害、外来カメ類との交雑、希少種ゆえの業者や愛好家等による乱獲などにより、近年急速にその生息数が減少しています。
千葉県では、県南部一帯の小河川や房総半島の山間部を流れる河川などに生息し、東日本で唯一の安定した生息地といわれていますが、近年、外来種のアライグマによる捕食被害が報告されて以降、これまでの生息地が失われつつあります。

ミヤコタナゴ

Tokyo bitterling Tanakia tanago

二枚貝に産卵することで知られる体長6㎝ほどのタナゴの仲間で、湧水を水源とした小川や水のきれいな用水路などに生息しています。春の産卵期に、オスには鮮やかな婚姻色が現れ、メスには二枚貝に産卵するための産卵管が伸びます。かつては関東一円に生息していましたが、生息地の減少により、現在では千葉県と栃木県の一部でしか生息が確認されていません。1984年に国の天然記念物に指定されました。

生物多様性について

地球上には森林、湿原、里山、干潟、サンゴ礁など多様な生態系が存在します。また、それぞれの地域の生態系は非常に多くの生物種によって構成されています。私たち人間も含むそれらの生物群集は大気、水、土壌環境と相互に関係しながら支えあって生きています。これらの生態系レベル、種レベル、遺伝子レベルの生物の変異性を全部まとめて生物多様性とよびます。生態系の一部を構成するたった一つの生物種が姿を消してしまうことは、その生物と直接的、間接的にかかわっている生物種だけでなく生態系全体に大きな影響をあたえてしまう可能性があり、近年大きく注目されています。

里山の生態系について

人の手が定期的に加えられて維持してきた自然環境は『二次的自然』と呼ばれ、私たちにとって身近な生き物が多くくらしています。房総は温暖な気候と豊かな自然のなかで古くから農業が育まれ、水田やため池などの二次的自然をよりどころとした生態系が確立されてきました。メダカやタナゴ、ゲンゴロウの仲間はそのような生態系の代表種です。

身近な生き物が姿を消した理由

戦後の高度経済成長の中、特に東京近郊の都市部を中心に開発が進められ、水田やため池のような生息地の減少や、農業自体の変化、農薬なども生態系を大きく崩す原因となっています。
さらに、アメリカザリガニやブラックバスなど本来の生態系には存在していなかった外来種が侵入してしまったことが追い打ちをかけてしまいました。

保護活動について

環境省により「国内希少野生動植物種」に指定された動植物種は、捕獲や販売・譲渡などが禁止され、これにより、横行していた密漁や売買を規制することができるようになり、各自治体は地元住民やNPOと連携しながら生息地の保全に取り組んでいます。

千葉県では、希少生物がくらす生息地の環境を守りながら保全をすすめていく『生息域内保全』と、生息地からその生物を保護下において飼育環境の整った設備で増殖をはかる『生息域外保全』の両輪で保護が進められています。
鴨川シーワールドでは県と連携して、現在これら2種の生息域外保全に参画し、繁殖に取り組むとともに、将来的には生息地への野生復帰を目指しています。

場所

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